536 オンライン・タダーズの人々「鉄道信号についての返信」


前回、色覚差別撤廃の会の井上清三さんが鉄道会社の色覚による採用制限について説明されていました。今回は,

それを受けて、T.eng氏から実際の電車の走行動画を使って、鉄道信号の表示の状況の丁寧な解説がなされました。ここまで意識して鉄道の信号を見たことがなかった井上さんは、とても感銘を受けた様子でした。そんな井上さんから感想が届きました。

 

T.eng.様

 

 先日のタダーズズームでの鉄道信号機の丁寧な説明、有難うございました。また、いろいろな資料を送ってくださってありがとうございます。

鉄道の運営には歴史があって、高度な技術の積み重ねでもって成り立っているんだなあと感心しました。特に、信号についてはすごいですね。生半可な考えでもって鉄道会社に要請するということは、恥ずかしいかぎりの事だと思います。

 

日本色覚差別撤廃の会では、鉄道会社採用のやり方について要請をしています。鉄道会社はどの会社も、鉄道運転士の資格を持てることを条件にしており、法令で定められた「動力車運転士は色覚正常であること」を元に色覚制限をしています。この法令について我が会は、3年前より国交省に法令改正をするよう要請を続けています。大部古い法令であるため、今省内で検討会を何度か開いており、我が会も参加したことがあります。近々なんらかの見解が出る予定です。

我が会の主張は、色覚異常者全員(強度から弱度まで一人ひとり程度が違います)に対して制限を撤廃せよ・・・ということではなく、「生半可な医学的色覚検査ではなく、業務上必要な色彩能力を見る具体的な検査をしてほしい。」ということです。できるなら、業務上出来得る限りのカラーユニバーサルデザインをしてほしいということも付け足します。

鉄道会社は、法令に基づいて採用をしているので、先ずは国交省の方の法令改正だと思っています。東京の鉄道各会社を回ったことがあるのですが、どの会社も我が会の主張に耳を傾けてくれました。ちょっとコロナ関係で結果が遅れているようですが、来年には出てくると思っています。

 

カラーユニバーサルデザインに関して特化して業務を行っているNPOがあります。CUDO(通称クドー)という組織で、我が会とは友好関係にあります。鉄道会社からは、電光掲示板の色とか時刻表の色等についての依頼があったようです。信号についてはちょっとむずかしいかも・・・と言っているのを聞いたことがあります。やはり、T.eng.さんが言うように歴史の積み重ねがありますからね。それと改良のための経費が・・・。

 

我が会が覚悟を持って主張しているのは、「生半可な医学的色覚検査で、門戸を閉ざすな。」です。鉄道ファンのT.eng.さんに何か相談することがあるかもしれません。その時はよろしくお願いします。

 

井上清三