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256 無料喫茶店の人々 「ただまっとうなことをやっているだけ・・・」


 当店専属バリスタの I さん、今回も8時30分に到着して無料喫茶店の開店準備をしていただきました。昨夜から店主が仕込んでおいた水出しコーヒーと、ご自分がドリップしたホットコーヒーを比較して「水出しはホットより味が軽やかになるけどしょっぱいというか酸味が浮き上がってきますね」と、まったく同じ豆でも味わいが大きく違うのにびっくり。「やっぱり私はドリップかな・・」。I さんの感想です。

 


「ただまっとうなことをやっているだけ・・・」

 いつものように8:30にタダーズコーヒーに来て、今日のコーヒー豆(カリビアンクイーン)を挽く。このいつものコーヒーの香りがなんとも言えない。自分だけのコーヒーを淹れて、もう私はこれだけで満足。至福のひと時をぼんやり過ごしていたら、玄関前に軽トラが一台。荷下ろししているのは、タダーズやおやのSさんではないか。りっぱなナスときゅうり、それにニンジンを玄関前に揃えました。実は2年ほど前まで、約3年間にわたってSさんの田んぼと畑に週末押しかけ、「おじゃま農業体験」と銘打って農作業(の邪魔)をしていたんです。農作業初心者の私にとって、ホント新鮮でした。何気なく食べている農作物、育てるのにあれだけの手間がかかっているというのを還暦過ぎて初めて知ったような。ニンジンを育てるのに選定作業は何度でもするんですね。雑草取りもけっこう大変でした。馬糞の肥料づくりもやっていました。何度かやる切り返し、発酵の湯気がすごかったですね。あんな手間があるからこそ、あの甘いニンジンになっているんでしょうね。今、私の連れは病気療養中なんですが、なんどか大量のニンジンを送ってもらいました。連れも「Sさんのニンジンはホントに甘い・・・」といつも言ってます。そんなことをSさんに言ったら、「私は、ただまっとうなことをやっているだけですけどね・・・」と一言。この「まっとうなこと」が深いんですよ。