217 無料喫茶店の人々 113「砂糖は無しで・・」


第一回無料喫茶店から専任バリスタをされている川崎の I さんは、今日も準備のために8時30分には到着され新しいホーローケトルで手際よくドリップをされていました。試しに店主が昨晩、フレンチプレス(ガラス製のコーヒー器具)で作っておいた水出しコーヒーを味わっていただいたところ、「ホットに比べて軽いけど飲んだ後の後味が悪くないです」と太鼓判を頂きました。これで安心してホットと水出しの2本立てでいけます。I さんから次のようなメールを頂きました。

 

●「砂糖は無しで・・・」
 私は、高倉健を見てコーヒーが好きになりました。おいしいコーヒーを飲んで、その味が忘れられない・・・なんて感じでコーヒー党になる人が多いのかもしれませんが、私は違うのです。高倉健がコーヒー党であるというのをどこかで聞いたか見たかして、コーヒーに興味を持ったのです。そして、コーヒーを飲むなら砂糖をいれないのが本格・・・なんて偏見を持ってしまったんです。本来甘党の私ですから、コーヒーには当然砂糖をたくさん入れていたのですが、この偏見を持ってから頑なに入れないようにしたのです。教員なりたての頃、学年会が週一であったのですが、そこではけっこうコーヒーが定番でした。その時、「井上先生、砂糖は何個?」なんて言われた時、「私は無しで・・・」と言ったのを覚えています。この時のなんとも言えない幸福感、今でも覚えています。まさに、高倉健きどりのいいカッコしいの極めですね。コーヒーの味じゃないです。コーヒーに付随して出てくる(私にとって)高倉健のイメージが私のコーヒー好きの始まりです。後々、テレビで高倉健のインタビューがあって、そこで堂々とコーヒーに砂糖を入れているのを見てびっくりしました。私の妄想もたいしたものです。
 今日の水出しコーヒー、なかなかでした。後味に感じるコーヒーの甘味というかなんというか・・・なかなかです。我が家にもフレンチプレスの器具があるのでやってみようかな・・・と思うけど、なかなか後始末がめんどうなんですよね。だから私の器具も店主同様10数年棚の奥に眠っています。