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99 無料喫茶店の人々 51「僕は軍国少年だったんですよ」

 川崎のIさんとともに無料喫茶店の専任バリスタをしていただいているKさん。店主の義弟の奥さんIKさんのお父さんで岸根公園の近くに住んでいらっしゃいます。昭和5年生まれの御年88歳。毎週日曜日の夜にはお子さん、お孫さん、ひ孫さんなどの総勢15人余のために、メニューを考え、買い出しに行き、夕食を作って振舞っているそうです。それを聞いた店主がバリスタをお願いしたところ、快くお引き受け頂きました。

 毎回、丁寧にハンドドリップで美味しいコーヒーを入れて頂き、ありがとうございます。比較的お客さんが少ない朝の時間に、Kさんから、お生まれになった北海道の幼少時代、大田区蒲田で過ごされた小学校時代、秋田に疎開した中学校時代の様子、戦争が終わってから新制の定時制高校で勉強し直した時のことなど、様々な興味深いお話を聞かせて頂きました。何事にも真っ正面から向き合ってきたKさんらしい言葉が印象に残っています。

 

「私はバリバリの軍国少年で、先生の言葉を信じて日本は絶対に勝つと思い込んでいましたね」